移植する頭皮弁は面積が大きいので、グラフト植毛法のように、移植した直後に皮下組織の毛細血管ができて、充分な栄養が送られるというわけにはいきません。
そこで、切り離さずに頭皮につながっている部分を通る主要血管を残しておく必要があります。
血流不足になるな組織である毛髪はすぐに死んでしまいます。
フラップ法の例として、ごく小範囲の限定的な移植で少量のドナーだけ採取すればよい場合は便利な方法であり、症例によっては利用される価値のある有用な方法ともいえます。
最悪の合併症として、移植した頭皮弁が壊死することがあります。これはごくまれですが、もしこの合併症が起こった場合、移植した毛はすべて抜けてしまい、みにくい羅痕が残ってしまいます。
また、フラップした毛の生える方向は、普通の毛とは逆に生えるのですごく不自然になってしまい、常にヘアスタイルはオールバックでしか隠せません。
生え際の不自然さをカバーするためにも、前頭部にマイクロ・グラフトの自毛移植を追加する必要があるほどです。
さらに、高密度の太い毛が生えているバンド状の部位の後側には、薄くなった毛が続いていますから、その薄毛がよけいに目立つのです。
その部分の脱毛がさらに進めば、前頭部のバンド状の濃い毛だけが残り、後頭部はまったくハゲてしまうという事態も起こりかねません。
フラップ法のバリエーション幅を大きく採らず、その代わりに3〜4ミリの細いフラップを何本も採り、ハゲた頭頂部にクロスさせて全体をカバーするという方法もあります。
幅を細くして皮下組織の毛細血管からすぐに血流が送られるようにしているのですが、これでも十分ではなく、脱毛がよく起こります。
また、頭頂部に細い筋が幾重にも交差しているのを見ても不自然、さらに毛が抜けた場合、何本もの傷痕が残ることになります。
いったん、フラップ上の毛が抜け始めると、縫合した傷は隠せなくなり、結局カツラという事態にもなりかねません。
スカルプ・リダクション(頭皮縮小法)は最も短時間で、密度のある長い毛を得ることができます。
1978年、カナダで頭頂部の薄毛に対する新治療法が発表されました。
それは"ハゲた部分の頭皮を切除して、両側を縫い合わせ、側頭部や後頭部の頭皮を、そこに生えた毛とともに引っ張り上げ、ハゲた面積を縮小しよう″と言うものです。
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